世界遺産・石見銀山遺跡の中核地域・島根県大田市大森町にある「石見銀山資料館」が、新たに『いも代官ミュージアム』の愛称で2022年4月にリニューアルされました。
資料館のご依頼で、新しいロゴイラストと館内に展示される案内用の鳥瞰図を制作いたしました。
この記事では、そのイラスト制作のさらなる詳細をお伝えしたいと思います。
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イラストの制作過程
今回のご依頼は、デザイン会社TSDO Inc.様よりお声がけいただきました。
和風なイラストを描くイラストレーターを探されており、以前描いた「お城のある街(鳥瞰図/俯瞰図)」のイラストをご覧いただいたようで、資料館内に設置する『石見銀山今昔鳥瞰図』も同じようなイメージで描いてほしいというご希望でした。
鳥瞰図は大森町の案内図も兼ねているため、町内の主要な建物がわかりやすいよう大きさや描き方に差をつけメリハリを出しながら制作しています。
さらに、過去の歴史や当時の生活も垣間見れるような鳥瞰図にしたいという考えから、現代の町並みに江戸時代の代官所や武士・町人、銀の取引のため石見銀山を訪れていたという外国人なども描き入れ、過去と現在が入り混じった様子のイラストを目指しました。
特に、現在のいも代官ミュージアム(石見銀山資料館)は、かつて代官所(大森陣屋)があった場所に建っているため、上記の理由から今の資料館ではなく代官所を描き込むことになり、当時の間取りの史料を参考にしながら建物を描写しています。
資料館の新しい愛称「いも代官ミュージアム」は、石見銀山の代官・井戸平左衛門がサツマイモ栽培を奨励して領民を飢饉から救った功績から「芋代官」と呼ばれたことにちなんでいます。
リニューアルに伴い、その井戸平左衛門をキャラクターとして新しくロゴを制作することになりました。
ロゴイラストは井戸平左衛門の肖像画を参考に、代官という威厳を持ちながらも、キャラクターらしく少しデフォルメし、親しみやすい雰囲気を意識しました。
現在、資料館の看板などに実際にロゴが使用されています。
石見銀山を訪れた際には、ぜひ「いも代官ミュージアム」に足を運んでいただき、館内の史料や展示物とともにロゴ・鳥瞰図もご覧いただければとても嬉しいです!
石見銀山へ取材見学
鳥瞰図とロゴイラストを制作するに当たり、実際に島根県大田市大森町を訪問させていただきました。
資料館はもちろん、重要伝統的建造物群保存地区である町並みや重要文化財の建物、そして当時の銀鉱石を採掘するための坑道の一つである龍源寺間歩などを見学させていただき、貴重なお話を伺いました。
町の雰囲気や空気感を目や肌で感じた上でイラスト制作に臨めたことは非常に良い経験となり、理解をより深められた分イメージが湧きやすくスムーズに制作できたと感じます。
また、大森町に住んでいる方たちがその歴史や自然を守り共存されている姿がとても印象的で、それが世界遺産になる所以なのだなと思いました。
私個人としても忘れられない思い出となっています。
今回のように、観光や地域の歴史に関するイラスト制作のご依頼も承っております。
ご依頼内容によって直接お会いしてのお打ち合わせや実際に見学・取材が必要と判断した場合は、スケジュールや交通費・宿泊費などを相談させていただく形でご訪問することも可能です。
日程や時間的余裕、予算などが厳しい場合でも、Zoom・Google MeetなどのWeb会議ツールを使用してのお打ち合わせに対応しておりますので、お問い合わせの際にお気軽にご相談ください。