双葉社が刊行する月刊文芸誌「小説推理」にて2020年2月号から連載されている『共謀小説家』(著:蛭田亜紗子)、全8話の挿絵を担当しました。

明治時代、当時はまだ男社会だった文学界を舞台に、時代に翻弄されながら小説家を目指す女性・冬子と、その夫の知られざる夫婦の物語です。

挿絵のお仕事も以前からぜひやってみたいと思っていたので、ご依頼いただときはとても嬉しかったです。

双葉社さんに以前ポートフォリオファイルをお送りした際、モノクロ絵のサンプルとして↓の絵を掲載していたのですが、こちらをご覧いただいて、「共謀小説家」のイメージととても合うと感じていただけたようでした。

針仕事
オリジナルモノクロ絵「針仕事」

着物や日本髪など和風な絵を描くのが得意なため、こちらの小説も明治時代が舞台ということで、当時の女性の髪型や服飾、生活様式などを意識しながら楽しく描かせていただきました。

雑誌の台割りなどの関係で、小説の掲載ページ数も変わり、それに伴い挿絵の枚数や内容も異なることもあり、その状況に合わせて各話の挿絵をご提案いたしました。

また、編集者の方から「登場人物の印象を規定してしまう可能性があるので顔をはっきりとは描かないでほしい」というご要望をいただいたので、そこに気をつけながら、物語の情緒が絵を通して読者に伝わるよう、読者の想像を邪魔せずに物語の世界感に誘えるような絵を目指して制作しています。

いち読者として毎号の原稿を拝読するのがとても楽しみで、全8話はあっという間の日々でした。激動の時代を生きたこの夫婦の物語に挿絵という形で携われたこと、大変光栄に思います!

以下のページにて8話全ての挿絵をご覧いただけます。

他にも挿絵やグレースケールのコンテンツに使われるモノクロイラストの制作事例を以下のページに掲載しておりますので、ぜひご覧ください。