



小学館文庫『新・口中医桂助事件帖』シリーズの装画を制作しました。
[著者:和田はつ子 / 出版社:小学館(2024年10月~ 刊行) / 装丁:山田満明]
書籍の内容
「ほうれん草異聞」
藤屋桂助は、妻の志保、房楊枝職人で桂助の助手である鋼次夫妻と幕末にアメリカに渡り、最新の歯科医療を学んで帰国した。近代化を進める明治政府は、医学でも漢方から西洋医学への転換を早急に行おうとしていた。そのための医師開業試験が開設されることになり、桂助にも協力要請が長与専斎から届く。
小学館ウェブサイト内紹介ページより
巡査の金五が怪我をした少女を背負って駆け込んできた。少女は療養した翌朝、突然に姿を消し、金木犀の一枝が残されていた。最近市中では、評判の美人が暴行される事件が相次いで起こっていた。(第一話 金木犀禍)
腹部に傷を負った老人の治療を行なっていた桂助。そこに、孤児の正太を昼間面倒見てくれないか、と金五がやってくる。老人と正太が話を交わしたところ、正太はいなくなってしまう。(第二話 バニラの花)
速水公子より、速水家への招待があった。大旦那の速水万之助の意向という。桂助夫妻と鋼次が出かけて行ったが、そこで事件が。(第三話 ほうれん草異聞)
名前を明かさない患者が来ていたが、後に長与専斎と名乗った。あるべき口中医療の理想を伝える桂助。ある日、金五が女性の骸を運び込んでくる。(第四話 どんぐり巡査)
「シーボルト花」
漢方から西洋医学への転換を行おうとする政府は、医師試験の実施を決定した。桂助は長与専斎の説得により、口中科部門の試験官を引き受ける。長与から虫歯削り機を進呈された桂助は、〈いしゃ・は・くち〉で働く求人をした。そこへ、桂助の下へ小幡英之助という若者が訪ねてきた。
小学館ウェブサイト内紹介ページより
英之助とは一緒に働くことになったが、悩みを抱えていることがわかった。患者の香里という娘のせいらしい。(第一話 シーボルト花)
一時、うさぎの飼育・販売が大ブームとなっていた。外来のうさぎが輸入され、人気のうさぎは高額な値段で取引されるようになった。大阪や東京でうさぎに税金が課せられ、うさぎの価格は暴落しつつあった。
大警視の川路利良から骸検視顧問に任命されてもいる桂助は、呼び出しを受ける。発端は、身分の高い人の飼っていたうさぎが盗まれたという。(第二話 うさぎ草)
人気の蘭方医である松永幸太郎が殺害された。桂助は、金五とともに事件の究明にあたる。(第三話 曼殊沙華)
警視庁本庁に届けられた投げ文には、亡くなった三人の富裕層の名前と「スノードロップ」の文字があった。桂助が、その真相に迫っていくと…。(第四話 待雪草)
制作の詳細
「ほうれん草異聞」
長年続いた人気シリーズ「口中医桂助事件帖」が舞台を明治時代に移し、新たなシリーズとして『新・口中医桂助事件帖』が開始されました。
新シリーズ第1作目の「志保のバラ」の続編になります。
主人公・桂助とその妻・志保を洋装の姿にして、明治時代の話であることを強調し、作中にもあるような二人が馬車に乗って往診にいくイメージで制作しました。
今までのシリーズのイメージを踏襲しつつ、新しさも感じられるカバーイラストになるよう意識しています。
「シーボルト花」
作中の大量の患者の資料に目を通している桂助の場面をイメージで制作しました。
書斎で仕事をする桂助に志保が飲み物を持っていくシチュエーションで、奥の窓の外には「シーボルト花」こと「紫陽花」が咲いているという構図になります。
日常のいち場面のような絵を意識しました。
イラスト制作データ
制作点数 | 装画1点 |
制作日数 | 約10日 |
サイズ | 天地148mm×左右105mm(掲載サイズ) |
納品形態 | PSDデータ、CMYK |
- データは参考です。実際の制作時とは異なる場合があります。
- 制作日数は純粋な制作のみの日数です。実際の納期はこの日数にお打ち合わせやクライアント様の確認日数などが加算されます。